【サンティアゴ巡礼】フランス人の道 – 27日目 –  〜 マンハリン 後編〜

サンティアゴ巡礼記

『中世の伝統的巡礼宿〜テンプル騎士団の儀式〜』
6月1日 El Ganso → Manjarin 17km

 マンハリンは僕がカミーノで絶対に訪れたいと思っていた場所の一つだった。廃村にポツンと建つワイルドでファンキーなアルベルゲ、その写真を本で見る度に日本にいた頃の僕は胸を踊らせていた。

 そして、実際に訪れてみたマンハリンのアルベルゲR.P Templariosはというと、想像を越えてファンキーだった。

 入口には様々な国や都市の名前が書かれた看板が雑然と無秩序に(僕にはそう見えた)建てられていた。それらの看板はそこに書かれた場所がある方向と、マンハリンからそこの場所までの距離を示していた。

マンハリンのファンキーなアルベルゲへようこそ。

 看板と旗は”国籍を問わず巡礼を歓迎する”というメッセージなのだろうか。一見乱雑に置かれたそれらの物は、謎めいた廃村のアルベルゲの魅力をより一層引き立てているように思えた。

 僕がアルベルゲに到着した時には、数人の巡礼に加えてドイツ人の団体ツアー客でごった返していた。団体ツアー客に見学されるアルベルゲはカミーノでもここぐらいかもしれない。

アルベルゲの見学にやってきたというドイツ人ツアー客の皆さん。

 人が多すぎてとても中には入れそうになかったので、僕は外でしばらく待っていることにした。すると、なぜだか急に疲れを感じ始めた。最初はその気など毛頭なかったのだが、次第に「今夜はマンハリンに泊まってみようかな」と考え始めていた。

 しばらくするとドイツ人観光客達と巡礼達が去っていったので、アルベルゲの中へ入ってみることにした。入口の方へ歩いていくと、一人のおじさんが母屋の外で屋根の修理をしていた。何を隠そう彼こそがこのファンキーなアルベルゲの主人トマスだった。

 作業中の彼に挨拶しアルベルゲの母屋へと入っていくと、やや薄暗い建物の中には、貼り紙、小物、写真などが所狭しと飾られていて、そのほとんどがテンプル騎士団にまつわる物だった。

この雰囲気を一目見て好きになってしまった。

 アルベルゲの入口同様、母屋の中にも国旗が飾られていて、売店ではお土産も売られていた。興味深い品々は、どれも古く謎めいていておまけに埃かぶっている。だがそれがまた何とも味があって良い。

一つ一つの小物に歴史がありそうだ。スペイン語が読めればもっと面白かったかもしれない。

 アルベルゲでは犬と猫が飼われていて、彼らは寝ていたり、歩き回ったり自由に過ごしていた。僕はその”埃と動物と謎に満ちた”マンハリンの雰囲気がすっかり気に入ってしまった。

飛び猫風に寝る猫。

 アルベルゲには巡礼が一人だけいて、僕はその長い髭を生やしたスペイン人のおじいさんをカミーノで度々見かけていた。彼にここのアルベルゲのことについて尋ねると、
「ここは伝統的な昔ながらの巡礼宿だ。」
と教えてくれた。

 それを聞いて即「もうここに泊まるしかない!」そう思った。

 トマスに代わって受付をしていたおじさん(トマスの息子さんだろうか?)に早速ベッドの空き状況を尋ねた。すると
「ベッドは空いているが、シャワーは無い。それでもいいかい?」
という返事が返ってきた。

 「シャワーは浴びたいけど、こんなチャンスはまたとないし今夜は我慢するしかないか…」僕は意を決して今夜のベッドを朝食付きでお願いした。朝食付きで5€は安い!(夕食は寄付だった)

 受付を済ませると、僕らは母屋を出て向かいに建つ石造りの建物へと向かった。

 案内された宿舎は倉庫のような建物で、文字通り倉庫の中に布団を敷いただけのような寝室だった。一階に4人、屋根裏のような2階に3人寝れるようになっているようだった。

最初は衝撃を受けた寝室だったが…

 今までのアルベルゲとは全く環境の違う寝室に、正直なところ「今夜ここで寝なきゃいけないのか…色々と大丈夫かな…」と不安な気持ちになった。

 中でも一番心配だったのは、埃被ったような布団だった。洗ったり干したりしてなさそうだし、虫とかダニとか大丈夫だろうか…。

意外と寝心地の良かったベッド。

 だが、不安になると同時に「いや、これぞ中世の伝統的巡礼宿なんだ!皆こういう場所で(失礼な)寝てきたんだ!」と逆に高揚する謎の自分がそこにいた。

 僕にとって「中世の伝統的宿」という言葉がマジックワード化していて、その言葉を使えば全てに趣を感じることができた。

屋根裏の寝室。

 心配したってしょうがない、とにかく今日寝る布団を選ぶと、外の眩いほどの明るさとは対照的に薄暗い寝室で荷を解き始めた。今のところ宿泊者は長い髭のおじいさんと僕の二人だけのようだった。

 シャワーがないので着替えだけすると、外のベンチで日記を書いた。日記を書いていると、受付のおじさんがやってきて昼食に誘ってくれた。せっかくのお誘いだったが、フォンセバドンでお腹いっぱい食べたばかりだったので丁重に断わった。

 日記を書くのに飽きてくると、村をぶらっと散歩した。村の家屋はどれも朽ち果てて崩れかかっており、アルベルゲ以外に人の住む気配はない。マンハリンは聞いていた通りの廃村らしい。

マンハリンの建物は朽ち果てているものが多かった。

 しばしの散歩を終えると、先ほどのベンチで再び日記を書いた。すると次第に睡魔がやってきて、それ以上は起きていられず、恐る恐る(失礼な)埃かぶった布団に横になり昼寝をした。

 予想に反して布団の寝心地はとても良く、静かなマンハリンは昼寝には最高の場所だった。意識はすぐに遠のいていき、外でビニールハウスのビニールが風にパタパタとはためく音以外は何も聞こえてこなくなった。

廃村には廃村にしか吹かない風があると思う。

 短いシエスタから目覚めると気分はスッキリしていた。夕食まで時間もあったので、先ほどはゆっくり見られなかったアルベルゲの母屋をじっくりと見学させてもらうことにした。

 母屋へ着くとトマスが繋いでいた飼い犬を丁度放ったところだった。4匹の犬達はアルベルゲの中やアルベルゲ周辺を嬉しそうに歩き回り始めた。

躍動する犬達。

 4匹のうち3匹はとても大きく、その中の1匹は狼だという話だった。
「え…オオカミ…?」

 何はともあれ、見た目こそ迫力のある犬達だったが、皆人懐っこく可愛いかった。唯一困ったのは、彼らを撫でた後に手に残るすごくワイルドな獣臭だった。

君が狼か?
こんな可愛い狼いる?

 アルベルゲでのんびりと過ごしていると、そこに一人の女性巡礼が到着。どうやら彼女も今夜マンハリンに泊まるらしく、髭のおじいさんに案内されて宿舎の方へと連れられて行った。

これが中世の伝統的宿舎です。

 宿舎に荷を置いた彼女が戻ってくると互いに自己紹介をした。彼女の名はアニータ、スペイン語が堪能な旅好きのドイツ人だった。彼女が今しがた髭のおじいさんから説明されたことを教えてくれた。

アニータ「母屋と宿舎の間の砂利の小道を、真夜中に野ブタ達が通り抜けることがあるらしいよ。」

アニータ「そんで、ここのアルベルゲの犬達がたまにそのブタを食べるんだってさ!」

僕「え…」

僕「ワイルド過ぎない?」

 夜トイレに行きたくなったらどうするの?だってアルベルゲのトイレは宿舎の外のあるんだよ?用を足しに外へ出て、そこでブタにかぶりつく狼のような犬達に会ったらどうするの…?

念のため、髭のおじいさんが宿舎の一番入口側のベッドに寝てくれるってさ!」

 彼女は笑顔でそう言った。その「念のため」とはどのような状況を指しているのだろう…。それ以上深くは聞かないことにした。

手作り感溢れるトイレ。

 彼女は、髭のおじいさんからこの廃村の唯一の水源(飲料不可)の場所についても教えてもらっていたらしく(髭のおじいさんはなんでも知っているようだった)、二人でその水源を探しに行くことになった。

 アルベルゲを出て巡礼路を下り、倒壊しかかっている家々の横を通って行くと左手に広大な家畜の放牧場が現れた。

村を歩き水場を目指す。微妙に手直しされているような建物もある。

 その放牧場の中にあった溜め池のようなものが、僕らが聞いた水源らしかった。放牧場を囲う針金の柵の隙間から中へと入り、じっくりとその水源を観察してみた。

 池の底から水が少しずつ湧いているようだったが、勢いはなく水質はかなり疑わしかった。しかも足元を注意して見ていないと動物の糞を踏むことになる。ここは動物達の水飲み場でもあるらしい。

村と放牧場は隣り合っていて、放牧場の中に水場はあるらしい。

「Amazing…」

二人で驚くとともに、中世の頃の巡礼の厳しさに想いを馳せた。きっと中世の頃の巡礼達はこういう所で身を清めたり、洗濯をしたりしていたに違いない。

辿り着いた水場。チョロチョロと水は湧き出しているが、水質は疑わしい。動物の糞に注意。

 場所が確認できると僕らはアルベルゲへ戻った。アルベルゲのパティオでプシュッと缶ビールを開けた彼女は、タバコに火を点けると、これまでに訪れたインドやネパールの旅の話を聞かせてくれた。

 旅の話をする彼女は幸せそうで、旅してきた国々での良き思い出がたくさんあるようだった。アニータと話をしている間にも、新たに二人の巡礼がアルベルゲに到着した。加えてトマスの友達らしき人達が夕べの語らいにやって来たりとアルベルゲは段々賑やかになってきた。

 アニータが、先ほど見つけた水溜りへ洗濯に行くと、僕はアルベルゲの売店を物色し始めた。先ほど到着したイタリア人の女の子ジュリアも真剣な眼差しで品々を眺めている。

お土産コーナー。テンプル騎士団関連のグッズが多い。

 夕食の寄付に使う細かいお金がなかったので、大きいお金を崩すために何かお土産を買うことにした。最初に水を買ったが、
「水の代金は寄付だよ。」
と店番をしていた髭のおじいさんに言われ、さらに細かいお金を失った。というか、おじいさん店番しているけど本当に巡礼なのかな、と疑問に思いつつ、仕方ないのでテンプル騎士団の十字架のバッジを一つ購入。

オスピタレオのトマス。写真から彼のカミーノ愛(テンプル騎士団愛)が伝わってくる。

 ウエストポーチに早速バッジをつけたら、格好良くてすっかり気に入ってしまった。僕はどこまでも単純な人間なのだ。

 無事にお金を崩し、お気に入りのバッジまでゲットし、宿舎の前のベンチで日記を書いていると、水源からアニータが帰ってきた。そして何だかさっぱりした様子で一言、
伝統的巡礼の水浴びをしてきた!」
と言い放った。

「何?伝統的巡礼の水浴び?」

「とても素晴らしかったよ!服を脱ぎ、バケツに水を汲み、山々の雄大な景色を眺めながらスッポンポンで水浴びをする開放感!Amaizing!」

「君も絶対にした方が良いよ!伝統的巡礼の水浴び!」

 てっきり洗濯だけ済ませて来るのかと思いきや、中世式の巡礼の水浴びをしながら、全身でイラゴ峠を感じてきたというのか…。なんという強者…。

 彼女の言う”伝統的巡礼の水浴び”にはかなり興味を惹かれたが、夕食の時間も迫っていたし、何よりあの水質の疑わしい水溜りで水浴びとはいかがなものか…。

 そんなことを考えながら、
「ゆ、夕食の後で、やってみよう、、、かな〜?」
と腰が引けた曖昧な返事を彼女にしたら、

「今やらなきゃ、絶対やらないよ!Never!」

と一喝されてしまった。この一言はその後僕が人生の岐路に立つ度に聞こえてくる気がする。

 そして、その一言が僕の中の何かのスイッチをパチリと押した。

「やってやろうじゃねえか。」

 すぐに寝室へ戻ると支度をし、宿舎付近に転がっていた調理用のボールのような物を拾うと、夕食の支度をしてくれている女性に夕食までの時間を尋ね、(「もうちょっと時間がかかるわ!」)急いで道を下り水溜りへと向かった。

 水溜りに到着した時には日は傾いていて、少し肌寒いぐらいだった。拾ってきたボールで恐る恐る水をすくってみると、水面にこそゴミがプカプカ浮いているが、水自体は透き通っていて水底も見えた。

 草の上でパンツ一丁になると、恐る恐る手足や頭を濡らしてみた。「ひ〜!冷たい!」だがもうここまで来たらやるっきゃない!と覚悟を決めて、拾ってきたボールに水をすくうと頭からザバーっと水を被った。

「ぎゃああああ〜!」

 一杯目は絶叫するほど冷たかったが、二杯目三杯目と繰り返すうちに感覚は麻痺していき、次第に爽快な気持ちになっていった。最後はパンツも脱ぎ捨てて何かの礼拝の儀式のように、ひたすら無心で黙々と水を被り続けた。

 水溜りの水で身を清め終わった僕は、一糸まとわぬ姿で仁王立ちすると、赤く色づき始めた山々の景色を眺めたのだった。

 まるで生まれ変わったかのような、古い自分を脱ぎ捨てたかのような新鮮な気持ちだった。僕は自分の中の”ある一線”を越えたのを感じた。その”ある一線”が、はたして人として越えて良い一線だったかどうかは、どうか聞かないで欲しい。

 無事”伝統的巡礼の水浴び”を終えた僕は、動物の糞に注意しながら草の上に置いておいた服を着た。と丁度そこへアルベルゲの夕食を作ってくれていた女性が「夕食だよ〜!」と呼びに来てくれた。タイミングとしては間一髪というところだ。

 だが彼女は僕がここで水浴びをしていたのを察したらしく、笑いながらアルベルゲの方へと戻って行った。僕もこれ以上ないぐらいサッパリした気持ちでアルベルゲへと戻った。

自然と当時の生活の気配が入り混じったマンハリン。

 アルベルゲのパティオにはすでに巡礼達が集まっていて、これから夕食が始まろうとしていた。皆に
「早くおいで〜!」
と言われたのでもしかしたら僕を待ってくれていたのかもしれない。

廃村のベンチに書き記されたメッセージ。Live a Life.

 急いでテーブルに着くと夕食が始まった。今夜宿泊する巡礼達に加えて、オスピタレオのトマス、受付にいた息子さんらしきおじさん、それに夕食を作ってくれた女性とその娘さんも一緒だった。彼らは皆家族なのだろうか、結局最後まで聞けずじまいだった。

 暮れなずむ山々、心地よい風、皆で一緒に食べるご飯はとても美味しくて、食卓はワイワイと賑やかだった。スペイン人、ドイツ人、イタリア人にアルゼンチン人、そして日本人の僕。

 アルベルゲの美味しい夕食に舌鼓を打ちながら、お互いのこと、カミーノのことを語り合う時、僕らの間に国境はなく、ただそこには、美味しい食事とそれを囲む陽気な人間達がいるだけだった。

 すっかり夕食を楽しんだ僕はとても満たされた気持ちでいた。いつもなら、このまま食事の片付けをしてベッドへ潜り1日が終わるはずだった。だが今日はいつもとは様子が違っていた。

 皆が夕食を食べ終えて、スペインの中々沈まない太陽がようやく沈み始めた頃、しばらく席を外していたトマスが白い長衣を身にまとって戻ってきた。

 白い長衣の胸の部分には赤い十字架の刺繍がされていた。そしてトマスは、

「時は満ちた。これよりテンプル騎士団の儀式を始める。」

と言った。するとそれまでのリラックスした雰囲気が一変して皆の間に緊張が走ったのがわかった。

 皆無言で、促されるがままにアルベルゲの入口の方へと歩き出す。アルベルゲの入口には、一人の騎士の絵と木彫りの像、それに大きなマリア様の絵が祭壇のような所に飾られており、一同がその祭壇の前に集まった。

写真は日中のもの。写真の中の騎士の写真が儀式には使われていたと思う。

 そして、その”儀式”は始まった。日はすっかり沈んでいて、夕闇が廃村を包み始めると、マンハリンのアルベルゲには何か只事ではない雰囲気が漂い始めていた。僕は(多分皆も)儀式について何も聞かされていなかったので、ただ言われるがまま祭壇の前に皆と一緒に立っていた。

 トマスがスマホで聖歌のような音楽を流し始めた。一番印象に残ったのは、その美しい歌声だ。男女の美しいハーモニーは今まで聞いたどの聖歌よりも神々しかったし、草木も山々もその歌声に静かに聴き入っているように感じた。

 祭壇に供えられた青い花の花びらが一枚散って、アニータは気分が悪くなり座り込んだ。夕食を作ってくれたアルベルゲの女性は、娘を後ろから抱きしめながら、目に涙を浮かべていた。

 トマスがそこで語った言葉は、全てスペイン語だったので意味は全くわからなかったが、何か厳かな雰囲気だけは伝わってきた。

 儀式が終わると皆アルベルゲの中に入った。外はとても寒かったし、儀式の最中は緊張しっぱなしだったので中へ入るとほっと一安心した。

 アルベルゲの女性が一人一人にお別れの抱擁をしてくれた。それは心からのものだった。彼女は巡礼の宿舎へ水差しを運んでくれて、暗い部屋にロウソクを灯してくれた。僕はこの女性こそマリア様なのではないかと思った。

この寝室は夜になるとさらに中世感を増す。

 ”伝統的巡礼の水浴び”から”儀式”を経て就寝に至るまでの展開が早すぎて忘れていたが、野ブタと野ブタをたまに食べるアルベルゲの飼い犬のことを僕は思い出した。僕は真剣に怯えながら、就寝前に宿舎の外で歯磨きをしてトイレに行った。幸いまだ野ブタの気配はなく、豚にかぶりつく狼のような犬も見かけなかった。

 僕が野ブタと犬のことを気にかけていることをアニータに話すと、

「ごめんごめん!野ブタのことは怖がらせるつもりで言ったんじゃないよ!」

と彼女は笑いながら謝った。(だがアニータはその直後に、ドイツでは「髪の毛を生やしたブタ」が人に突進してくるという話で再び僕を震え上がらせた)

 ロウソクの優しい光が灯された馬小屋のような宿舎は、本物の中世の巡礼宿のようだった。(本物が実際どういうものかはわからないが、雰囲気として)
「何だか中世にいるみたいな気分だね。」
とアニータに話すと、
「中世?そんなこと言いながら、明日にはどうせホテルなんかに泊まったりして現世に戻るのよ!」
とまたもや笑いながらそう言った。

寝室に灯されたロウソク。ロウソクの光と村を包む静寂が僕をタイムスリップさせたのかもしれない。

 皆が寝袋に潜ると辺りはしんとして静かだった。だがしばらくすると突然風が唸り初めて、アルベルゲの犬達が一斉に吠え始めた。その時、僕は間違いなく中世にいて、アルベルゲの犬達は狼や盗賊を警戒して吠え立てていた。

 「あらゆる時間は同時に存在していて、時として交わることがある

 その時、僕は確かに中世にいたのだ。

本日のアルベルゲ

Albergue refugio de peregrinos Los Templarios(Manjarin)

 Tel : (+34) 641238 307
 
 私営アルベルゲ
 予約不可

 ・宿代 
  二段ベッド 5€(朝食込み)

 ・ベッド数 30


 ・リビングルーム(暖炉の横のスペース)
 ・タオル、シャンプー
 ・暖房設備(薪ストーブ)
 ・洗濯場/物干し場
 ・コンセント
 ・薬箱
 ・コンセント
 ・庭
 ・駐輪場

本日の支出

項目
オレンジ、バナナ1.2
パン、チーズ、トマトソース、リンゴ4.3
宿代5
1.3
テンプル騎士団のバッジ3
合計14.8
1,850円(1€=125円)

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