アイルランド留学22 「通勤ラッシュと自習について」

ヴィア・フランチジェナ

 LUASは今朝も満員だった。乗り込む隙間が見つけられず、一本見送らなければならなほどに混んでいた。一方で、時間にはゆとりがあったので、いつも降りる駅から数駅手前で降りて散歩がてら歩いて登校した。

 8時前後の時間帯はまさに通勤ラッシュの真っ只中、ダブリンは学校や職場へ向かう人々で溢れていた。そこで気づいたことがある。それは、「アイリッシュは歩くのが信じられないぐらい速い」ということだ。皆ジョギングか競歩でもしているかのようなペースだ。とてもじゃないがついて行けない。

 自転車通勤の人も多く見かけたが、中にはスピードを出しすぎて衝突し転倒する人もいた。朝のダブリンはまさにレース会場と化しているようだった。

 教室に着くと、二日酔いらしい韓国人クラスメイトのイーサンと雑談をした。そこで彼から仕事の話をもらった。しかも多くの人が知っているであろう大手企業のものだった。だが残念なことに、僕は今週でダブリンを去らねばならない。なのでその話は丁重に断ることにした。

 クラスには今までで最も多い11人の生徒がいて、授業はとても賑やかだった。担任のコラムは授業をテンポ良く進めながら、一人一人に目を配り、人数が増えても少人数でやっているかのような質の高い授業を提供してくれた。

 今日はペースに上手く乗ることを意識して授業を受けた。「ゆっくり、じっくり丁寧に」という言葉も好きだが、速さと正確さを瞬時に求められる今の環境こそが、僕をより成長させてくれる気がした。クラスメイトにも先生にも、学校にも恵まれたと思う。

 昼からはマリーのクラスをとっていた。昨夜自習した内容が出てきて、マリーの質問にうまく答えることができだ。その小さな成功で少し自信がついたし、自習の大切さを知ることができた。

 ようやくマリーのクラスにも馴染んできたところで、気づけば次が最後の授業だ。とても残念だし、もっと英語を学びたいという気持ちだった。

 日本では年号が平成から令和へと変わった。だがその実感はなく、今あるのはダブリンを去らねばならないという寂しさだけだった。

 

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