僕はこの日のことを生涯忘れないだろう。ダブリン、大きいようで小さい街。幸運にも出会えた素晴らしい人達。
担任のコルムにまずは感謝したい。時に厳しく授業に関しては真剣だけど、いつもクラスを笑わせてくれた。「英語を話すとはどういうことか」それを身をもって知ることができたのも、彼の刺激的な授業のおかげだ。
彼が別れ際に言っていた「英語を教えることは僕の情熱なんだ!」という言葉が印象的だった。英語を教えることに喜びを感じるからこそ、彼は質の高い授業ができるのだと思う。彼の授業はスピーディーかつダイナミック、生徒達を1分1秒も飽きさせない(油断させない)し、全く無駄がない。
最初は授業の展開の早さについていけなかったし、発言機会を与えられても何も言えなかった。落ち込むことも多かったが、何度も谷に落とされるたびに強くなれたし、彼のいう「壁を壊す(発言することの)」こともできるようになってきた。一生に一度だけかもしれない語学留学の、担任の先生が彼で本当に良かった。
そしてクラスメイト達。時にライバル、時に兄弟のような存在。彼ら彼女らが皆親切で優しかったおかげで楽しい時間を過ごすことができた。良き仲間に出会えたことは本当に幸せなことだ。
その中でもフランソワには一番お世話になった。いつも一緒に遊んでいたし、二人で多くのことについて語り合った。優しく純粋で賢い彼が、ダブリンで良い仕事を得られますように。
語学学校の卒業がピークだと思っていたが、帰宅するとそれを上回る感動が待っていた。その晩はコリンとキアラと夕食を食べた。二人は毎日、僕やベンのために美味しいご飯を作ってくれし、毎晩コリンかキアラのどちらかが一緒に夕食を食べてくれた。ホストファミリーとしての二人の存在に何度救われたかわからない。
夕食後キアラとハグをして、コリンと固い握手を交わした。コリンは最後に「もし何か困ることがあれば、いつでもうちに帰って来い!何がなくともうちに来るんだ。」と言って電話番号までくれた。それを見たキアラがコリンに「あなたはこれで一生ヒロのことを忘れないわね。」と言った。二人とも涙ぐんでいるように見えた。なんて素晴らしい人達なのだろう。僕は部屋に戻ると一人で泣いた。

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