「サンティアゴ巡礼のシンボルはなぜホタテ貝なの?」
「巡礼の時につけて歩きたいんだけど、どこで手に入れられるの?」
「皆どこにホタテ貝をつけて歩いてる?」
これらの疑問にお答えします。
サンティアゴ巡礼が少し楽しくなる雑学です。
【サンティアゴ巡礼の歴史】巡礼のシンボルはなぜホタテ貝なのか?
ホタテ貝が巡礼のシンボルになった経緯に関してはいくつもの言い伝えがあります。今回はその中でもよく語られているものについてご紹介します。
言い伝え①
巡礼の終着点であるサンティアゴ・デ・コンポステーラのあるガリシア地方がホタテ貝の名産地であることから、11世紀ごろ巡礼を達成した記念にホタテ貝を持ち帰ったことが始まりである。
言い伝え②
馬に乗った騎士が誤って海に転落した際に必死に聖ヤコブに助けを求めたところ、どこからともなく大量のホタテ貝が現れて騎士と馬の身体中にくっつき海面に浮かびあがらせた。
言い伝え③
紀元44年、スペイン布教からエルサレムに戻ったヤコブは、時の権力者ユダヤ王アグリッパに斬首されてしまう。
十二使徒中最初の殉教者となったヤコブ、彼の遺骸を乗せた船が海を漂っていた際、その船底にホタテ貝がびっしりとついていた。
言い伝え④
名画「ヴィーナスの誕生」にも描かれているホタテ貝。
ホタテ貝には「再生」「豊穣」という意味があり、サンティアゴ巡礼した者の魂も生き返ると言われています。
古い自分を脱ぎ捨て、新しく生まれ変わる。巡礼者がサンティアゴ巡礼で経験するであろう変化、そのシンボルにはふさわしいのかもしれません。
ホタテ貝の入手法
①巡礼事務所でもらう
僕はサン・ジャン・ピエ・ド・ポーの巡礼事務所でホタテ貝をもらいました。
事務所の中にはホタテ貝の殻が山積みにされており、自由に持っていって良いとのことでした。
気に入ったホタテ貝を選びバックパックに括り付けた時、
「これで自分も巡礼の仲間入りなんだ!」
と嬉しく思ったことを覚えています。
②お店で買う
ホタテ貝はお店でも買うことができます。
デザインが施されたホタテ貝もかっこいいですよね。
③フィステーラで拾う
これは番外編ですが、フィステーラに辿り着いたのち、フィステーラのビーチでホタテ貝を拾って、それを次回の巡礼に使う人たちもいるそうです。
それを聞いた僕も、実際にフィステーラのビーチでホタテ貝の殻を拾って帰りました。その辺に落ちていたので意外と簡単に見つけられました。
フィステーラ滞在についての詳しい記事はこちらからどうぞ。
ホタテ貝をつける場所
バックパック
一番多く見かけるのがバックパックにホタテ貝をつけたパターンです。くくりつける際は落ちないようにしっかりと固定しましょう。僕は何度か緩んで落ちかけました。
杖にくくりつける
かの聖ヤコブも布教中はホタテ貝を杖にぶら下げていて、それで水をすくって飲んでいたという話もあります。
首から下げる
僕が巡礼していた時はホタテ貝を首から下げて歩く人をあまり見かけませんでしたが、首から下げるのは昔からのやり方らしいです。
巡礼三種の神器 + 1
ホタテ貝
・ホタテ貝
サンティアゴ巡礼のシンボル。期限には諸説ある。
ひょうたん
現代でいう水筒。今も昔も巡礼に欠かせないアイテムであり、神の導きや信仰の象徴でもあるらしい。
杖
杖には2つの用途があり、1つは歩行時に身体を支えるため、もう1つは狼やならず者から身を守るためだった。現在では歩行をサポートするためのストックとして使われている。
頭陀袋
肩にかけた蓋のないずだ袋には、神様からの施しが自然に入るようにという意味があり、道々で食べ物やお金を施してもらう時の入れ物としても使われていたらしいです。
そもそも頭陀袋の”頭陀”はインドの古代サンスクリット語の”ドゥータ”からきており、”棄捨””衣食住に関する欲望を払いのけて修行をする”という意味があり、まさに巡礼そのもののよう。
バックパックは現代版の頭陀袋と言えるかもしれません。
三種の神器はどれも姿形は変われど、実用的な意味と象徴的な意味において、今もサンティアゴ巡礼には欠かせないシンボルと言えます。
まとめ
ホタテ貝がサンティアゴ巡礼のシンボルになっている理由は諸説あります。
僕がホタテ貝の模様を見て最初に感じることは
「すべての道は同じサンティアゴに通じている」
というものです。
最後まで読んでいただきありがとうございまいした。
ブエン・カミーノ!
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